製造業DXの設計 — インターフェース定義と処理概要定義書

今回は、製造業DXを実現するための「施策実行の7ステップ」の4ステップ目にあたる製造業DXの設計について、詳しく説明します。

設計フェーズは、プロジェクトの成否を左右する極めて重要な工程です。

設計が曖昧なまま進行すると、手戻りや仕様の齟齬が発生し、コストやスケジュールに大きな影響を及ぼします。

この記事では、製造業DXにおける設計フェーズで押さえておきたい設計文書についてご紹介します。

目次

設計文書の成果物一覧

設計フェーズで活用される主要な設計文書は以下になります。プロジェクトの規模やシステムのアーキテクチャによって取捨選択していきます。

設計文書の作成例

IF(インターフェース)定義書

複数のシステムが連携する製造業DXの施策では、インターフェースの仕様が極めて重要です。

IF定義書は、データの送受信形式を詳細に記述します。これにより、関係者間でインターフェースの仕様について共通理解を持つことができます。

テーブル定義書

製造業DXでは、データの活用が鍵となります。テーブル定義書は、データベースの構造(項目名、型、制約など)を明確にすることで、データの整合性と再利用性を高めます。

処理概要定義書

処理概要定義書は、システム間連携等で必要となるバッチ処理の流れを図や文章で整理した文書です。

業務担当者との認識合わせに有効で、仕様変更時の影響範囲も把握しやすくなります。また、障害発生時には、エラーログと照らし合わせることで、どこの処理でエラーが発生しているのかを迅速に特定することができます。

まとめ

これらの設計文書は、単なる技術資料ではなく、関係者間の「共通言語」として機能します。

明確な設計は、プロジェクトの透明性を高め、品質の最適化や事業環境の変化に俊敏に対応するための柔軟性に直結します。


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