今回は、製造業DXを実現するための「施策実行の7ステップ」の2ステップ目にあたる製造業DXの要件定義について、詳しく説明します。

施策を成功に導くためには、業務内容や課題を正確に把握し、それに基づいたシステムの機能・性能を明確に定義する「要件定義」が欠かせません。
この記事では、要件定義の実施から成果物の作成まで、具体的なステップをご紹介します。
要件定義の実施と成果物一覧
まずは、プロジェクトの目的や背景を整理し、要件定義の対象範囲を明確にします。その上で、成果物として何を作成するかを決定します。
これにより、関係者間で共通認識を持ち、スムーズな進行が可能になります。

要件定義の成果物を作成
業務要件一覧
現状把握フェーズで実施済みの業務プロセスの一覧に対して、施策後に必要となる新機能を洗い出します。
これにより、業務のどこに改善が必要か、どのような機能が求められるかを明確にできます。

機能要件一覧
新機能を業務プロセスから更に詳細な作業単位で整理し、優先順位を付けながら一覧化します。
ここでは、どの機能を先に開発すべきか、どの機能が業務にとって重要かを判断するステップが重要です。

優先順位をつけるための基準も明確にしておきます。

IF(インターフェース)一覧
関連する他システムとの連携方法を検討し、インターフェース一覧を作成します。
これにより、システム間のデータの流れや接続方式を明確にし、開発時のトラブルを未然に防ぐことができます。

テーブル一覧
システム内で使用されるテーブルの役割を一覧化し、データ構造を視覚的に把握します。
これにより、データの整合性や管理方法を設計段階で明確にできます。

ER図
テーブル間の関係性を図示することで、データ構造の全体像を把握します。
ER図は、設計者だけでなく、関係者全体がシステムの構造を理解するための有効なツールです。

まとめ
要件定義は、単なる仕様書作成ではなく、業務課題の本質を捉え、最適なシステムを設計するための重要なプロセスです。
各ステップを丁寧に進めることで、施策の成功率を高め、長期的な運用にも耐えうるシステムを構築することができます。
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