製造業DXの製品・ベンダー選定 — 要求機能の実現性と評価結果一覧化

今回は、製造業DXを実現するための「施策実行の7ステップ」の3ステップ目にあたる製造業DXの要件定義について、詳しく説明します。

DXや業務改善プロジェクトを進める上で、製品・ベンダーの選定は成功の鍵を握る重要なフェーズです。

単なる価格比較ではなく、「自社の課題を解決できるツールかどうか」を見極めるためには、体系的な選定プロセスと成果物の整理が欠かせません。

この記事では、製品・ベンダー選定の全体像から、RFI・RFPの活用方法、選定時のポイントまでをわかりやすく解説します。

目次

製品・ベンダー選定の全体像

製品・ベンダー選定は、以下のようなステップで進めるのが一般的です

  • 要件整理
  • RFI(情報提供依頼書)の発行
  • RFP(提案依頼書)の発行
  • 提案評価・比較

この流れを押さえることで、情報収集から意思決定までのプロセスに抜け漏れがなくなります。また、①要件整理は前回の記事で既に作成済であるため、②RFI(情報提供依頼書)の発行~④提案評価・比較までをご紹介します。

RFI(情報提供依頼書)の活用ポイント

RFIは、まだ選定候補が定まっていない段階での情報収集に使います。

ここでのポイントは、要件定義で作成した機能要件一覧にある機能を実現できるかどうかです。標準機能で実現が不可である場合は、アドオン開発またはカスタマイズで実現する方法があるかを確認することが重要です。

また、質問項目は簡単に回答できる内容とし、広く浅く情報収集します。

RFIには、以下のような項目を含めると効果的です。

RFP(提案依頼書)の構成と役割

RFP(提案依頼書)は、RFI(情報提供依頼書)によって候補をある程度絞り込んだ後に、より具体的な提案を求めるための文書です。

「施策実行の7ステップ」の1、2ステップで作成したプロジェクト計画書と要件定義書や期待値を提示することで、ベンダーから精度の高い提案を引き出すことができます。

最終的な選定では、以下の観点が重要になります。

評価結果の一覧化

各ベンダーの提案内容を定量・定性の両面から比較するため、評価結果を一覧化します。

意思決定の根拠としても重要であり、納得感のある選定には、「何を重視するか」を社内で明確にしておくことが不可欠です。

まとめ

製品・ベンダー選定は、単なる調達ではなく「業務改善のパートナー選び」です。RFI・RFPを活用し、要件に合った提案を引き出すことで、納得感のある選定が可能になります。

プロジェクトの実行責任を担う立場であれば、RFIとRFPを段階的に使い分けることで、選定の透明性と納得感が格段に高まり、社内の信頼にも直結します。

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主な内容

業務改革DXとは

顧客や従業員にとっての価値を向上させるための基本的な考え方とアプローチを紹介します。

実現したい姿を決める

問題解決型と課題達成型の2つのアプローチを用いて、短期的および長期的な視野から課題を取り扱います。

現状把握

業務の全体概要を図示し、プロセスを洗い出して定量的に把握します。

施策の立案

業務フローの現状と課題をフローチャートに表し、解決アプローチを選定します。

施策の実行

プロジェクト計画書の作成から、開発・テスト、移行、運用・保守までの具体的なステップを示します。

同意事項

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この記事を書いた人

約8年間、自動車部品メーカーの技術開発部門で製品の設計・開発、工場生産ラインの構築・準備と幅広く経験を積みました。2021年に転職後、システムエンジニアとして、主にバックエンドおよびデータベース周辺の設計・実装・運用に従事します。業務ロジックの整理からAPI設計、データ連携、KPI算出ロジックの構築まで、ビジネス要件とIT技術の両立を重視した開発に取組みます。その後、スマートファクトリー化を目指す製造業クライアントに常駐しながら、現場課題を本質から捉えたシステム導入支援を担当します。技術領域にとどまらず、運用・保守性など多面的な観点から企業の課題に寄り添う仕組みの構築を手がけました。

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